物理学者アルベルト・アインシュタインは「ミツバチが地球上から姿を消すと、人類はわずか四年間で生存できなくなる。(※)」と語りました。現在、その言葉は真実味を持って私たちに迫ってきています。
地球上の食べ物の約七十%がミツバチの受粉に支えられています。ミツバチによって植物の実がなり、それを獣や鳥が食べてフンと一緒に土に落とすことで新たな木となり、その木の根元から水が湧き出て川になります。その栄養ある川の水が海に注ぐことでプランクトンが育ち、それを餌にする魚が生息し、人間はその命をいただくという食物連鎖があります。
つまり、ミツバチが息絶えた瞬間に、この“命の連鎖”が止まってしまうということです。
もともと前職では環境問題への対応を行政や企業に提案するシンクタンクの社長として、廃棄物処理・地球温暖化・エネルギー問題等について大企業やヨーロッパのシンクタンク、中国政府とも共同研究を行い、また経済産業省産業構造審議会専門委員として国に直接提言する立場だった船橋さん。「地域紛争や温暖化現象など、様々な問題が起きるのはすべて自然からの問いかけ。地球が限界を迎えている今、大切なのは、自然と対立するのではなく共存する姿勢。“皆それぞれが命の喜びを真っ直ぐに生きること”」だと語ります。
人間はあたかも自然を征服したかのように振る舞うけれど、私たちは山の頂上から海の底まで、“様々な命の共同創造”のおかげで水・空気・大地・食料など、あらゆる恩恵を受けています。「人間は自然のすべての生き物からの恩恵で生かされている」ということを忘れてはいけません。
「蜂蜜はもちろん、この一袋のお茶も、“様々な命の共同創造”の恩恵でできています。そこに気づいて欲しいですね。」
※諸説あり、ベルギーの詩人・モーリス・メーテルリンクの言葉とも言われる。
船橋 康貴さん
養蜂家・一般社団法人「ハニーファーム」代表理事、ミツバチ幸せ街づくり実行委員会代表。
◆詳細はハニーファームHP
世界的講演会を主催しているTEDのコンセプトを受け継いだ「TEDxAnjo」で船橋さんが2017年1月に登壇した動画もご覧いただけます。
https://honeyfarm.jp/