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私たちが未来に残すもの「綺麗な地球を子どもたちに」

「(株)アバンティ」創業者/「(財)森から海へ」代表理事/「(社)サーキュラーコットンファクトリー」代表理事 渡邊智惠子さん

オーガニックコットンの輸入を長年手がけてきた渡邊さん。その仕事を通じて知ったのは、自分たちを取り巻く自然が破壊されてしまったら、人間は生き延びることができないということです。

いま全国各地の森では、鹿が増え続けることにより生態系が崩壊するという深刻な問題があります。ハンターも減少し必要捕獲数の半分ほどしか捕獲されないため、次の年にまた増えてしまいます。そして捕獲された鹿のうち、鹿肉として活用されているのは、わずか10%。その他はそのまま処分か焼却処分されています。「森を正常な状態に戻したい」「鹿の命を無駄にしたくない」という想いから、渡邊さんは社会起業家として一般財団法人「森から海へ」を設立、国内産の鹿肉を活用したペットフードの製造販売に取り組んでいます。

一方、環境破壊・温暖化問題を考えたときに、「ゴミ問題」が大きな原因の一つとなっていますが、中でも「繊維ゴミ」が世界のゴミのじつに14%を占めており、毎年137万トンもの廃棄物が捨てられたり燃やされたりしています。2019年には28.5億枚の洋服が作られ、14.8億枚は売れ残り、新品のまま廃棄されました。その製造過程で生まれる廃材もまた産業廃棄物として処理されています。この現状を顧みて、繊維の廃棄物を資源として活用することが、循環型社会への第一歩だと渡邊さんは考えました。

2021年、膨大な繊維ゴミを資源として活用するために、一般社団法人「サーキュラーコットンファクトリー(CCF)」を設立。CCFは洋服の廃棄物をゴミにしません。洋服の廃棄物から紙をつくり、活用することから始めています。

繊維の廃棄物を「繊維」に再生しても、17.5%の低いリサイクル率になってしまいます。それに比べると、紙の回収率は85%、古紙利用率は67%。「紙」にすることの方がはるかに高い循環利用となります。紙はわたしたちの暮らしのあらゆる所で使われています。日本人の生み出した豊かな紙の文化や歴史があります。CCF事業には「綺麗な地球を子どもたちに」というスローガンがあります。循環型の社会を実現するために、この活動へご賛同ください。
https://www.circularcottonfactory.jp/

渡邊智惠子さん
1952年北海道生まれ。明治大学卒業後、タスコジャパン入社。1985年に子会社「(株)アバンティ」設立・代表取締役社長就任。タスコジャパン退職後の1990年以降、環境性の高いオーガニックコットン商品の開発、販売および啓発活動を行う。現在、「(財)森から海へ」設立・代表理事、「(社)サーキュラーコットンファクトリー」設立・代表理事。

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