最初は「産後鬱の人を減らしたい」という思いから先生の研究が始まりました。産後鬱になると、育児不安、育児困難、果ては育児放棄にまで至ってしまう方もいらっしゃいます。せっかく生まれてきた赤ちゃんも、このような環境では立派に育つことはできません。赤ちゃんのため、そしてお母さんのために産後鬱の人を減らすべく、様々な方法を探していました。そんなとき、たまたま胎内記憶の本を読み、「お母さんの意識を生まれる前の赤ちゃんに向けてもらうのに効果的だ」と考え研究を始めました。
胎内記憶とは、おなかにいる間の赤ちゃんの記憶のことを言います。この胎内記憶は三人に一人が持っていると言われており、言葉を話せるようになる二歳から三歳の子どもが話すことが分かっています。実際に胎内の記憶があるとすれば、その後の人格形成に重要な役割を果たすと言えるでしょう。
「赤ちゃんは、おなかの中で見聞きしたことを覚えている」ということを意識するだけで、妊婦さんは自然とおなかの中の赤ちゃんに話しかけるようになります。実際に、記憶の保有率に最も大きな影響を及ぼしていたのは、“お母さんがお腹の赤ちゃんに話しかけていたかどうか”ということも分かってきています。赤ちゃんもお母さんの気持ちを感じとることができれば、生まれてからも健やかな子どもになるのです。
『私は、産婦人科医として「出産」という点からアプローチをしていきたいと考えています。母と子が上手にコミュニケーションをとれる良好な関係であれば、子どもは自然とその環境を学び、自分で考え行動して、相手を思いやれるような大人に育つのではないでしょうか。』
池川 明先生
1954年東京都生まれ。帝京大学医学部大学院修了。医学博士。上尾中央総合病院産婦人科部長を経て、1989年横浜市に産婦人科の池川クリニックを開設。平成元年から平成28年までの28年間で約2700件の出産を扱い現在に至る(現在は出産の取り扱いは行っていない)。2001年9月、全国の保険医で構成する保団連医療研究集会で『胎内記憶』について発表し、それが新聞で紹介され話題となる。現在、胎内記憶を世界に広める活動をしている。お産を通して、豊かな人生を送ることができるようになることを目指している。
池川先生の著書
池川クリニック
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