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臨床と病理学の研究を進め「フィジシャン・サイエンティスト」を志す

耳鼻咽喉科・頭頸部外科 医師 黒木 将先生

繊細な治療技術が求められる耳鼻咽喉科・頭頸部外科の手術を何例も行ってきた黒木先生。より多くの患者さんを救いたいと、新たな薬や治療方法の開発に役立てられるよう、臨床だけではなく、耳鼻咽喉科・頭頸部外科における病理学の基礎研究を進めておられます。

一般耳鼻科については、鼻が担う役割は大きく2つあります。1つ目はもちろん嗅覚。昔から人類はこの食べ物が腐っているか、危険性があるかの判断をニオイでしてきたことも多く、命に関わる重要な役割を担ってきました。また、近年の研究では嗅覚障害と認知症も関係が深いことが分かっています。2つ目は、鼻は空気の通り道である気道の始点なので、空気中のほこりやチリ、ウイルスなどを体に入れないように防いでくれます。

また耳に関連して知っておくべきことは、耳と鼻は耳管でつながっているので、鼻から侵入したバイ菌が耳に入って中耳炎になるケースが多いということ。お子さんの場合できるだけ鼻をすすることを止めさせましょう。鼻すすりをすると、その度に細菌やウイルスが鼻の奥から中耳に侵入しやすくなります。ですから正しい鼻のかみ方が大切です。

【鼻のかみかた】

  1. 反対側の鼻を押さえて、片方ずつかむ
  2. 鼻水を押し出すために、しっかり口から息を吸う
  3. ゆっくり、少しずつかむ
  4. 最後まで強くかみすぎない

黒木先生は脳から下、鎖骨から上のガンを取り除く外科手術も担当していました。顔周りは視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚と五感にとても深く関わりがあり、病気が進んでしまうとQOL(Quality of life:生活の質)がかなり下がってしまうため、ガンの切除に加えて「いかに各機能を温存するか」という繊細な治療技術が求められます。大きく切除してしまうことは極力抑え、できるだけ機能を温存するために、手術だけではなく放射線や抗ガン剤を併用しながら治療にあたることも多いとのこと。

『今後は臨床と研究の橋渡しとなる「フィジシャン・サイエンティスト」を志したいと考えています。その形がより多くの患者さんを救える可能性が高いと思うからです。可能性を切り拓く新たな分野の研究にも尽力しながら、これからも数多くの患者さんと向き合っていきたいです。』

※「フィジシャン・サイエンティスト」… 臨床医療と基礎研究の橋渡し役。
医師として患者を診察しながら研究者としても尽力する。

黒木 将先生

1989年岐阜県生まれ。耳鼻咽喉科・頭頸部外科の医師を務める。腫瘍病理学の研究と臨床の両面から患者と向き合い、新たな生命科学の可能性を切り拓くとも言われる糖鎖の研究にも携わる。

黒木 将先生

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