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日本の学生向けに「カンボジアでの緊急医療支援についての特別講義」

NPO法人サイド・バイ・サイド・インターナショナル カンボジア所長 佐々木 明子さん

佐々木明子さん
▲ プノンペン赤十字での救命講習会で教える佐々木明子さん

昨年5月に本企画「EOS SDGs」で取り上げた、NPO法人サイド・バイ・サイド・インターナショナル(SBSI) カンボジア所長の佐々木明子さん。カンボジアの緊急医療支援に従事し、国立病院や州立病院その他で医療者向けの医療講習会等も開催しています。このたび、佐々木さんが福岡女学院大学の学生向けに「カンボジアでの緊急医療支援についての特別講義」をカンボジア・プノンペンからオンラインで行いました。

同大学の国際キャリア学科3年生、4年生を対象とする「International Relations Ⅰ」(前期)と「International RelationsⅡ」(後期)では、我々の生活と深くつながっている様々な国際問題を学習しています。トピックの例としては、人種差別と固定観念、国際協力や途上国支援、先進国での大量消費、特にファストファッションの陰にある開発途上国での問題、環境破壊と生物多様性の激減、核兵器問題、ファッションと文化などがあげられます。

佐々木さんはSBSIの職員として2006年に活動を開始し、当初は国内養護施設への食糧寄付や東京でのホームレス支援等の事業が中心でしたが、その後カンボジアを始め、スリランカ、タンザニア、シベリア等の被災地支援や貧困者向け物質輸送事業にも取り組んでこられました。2013年からはプノンペンに駐在され、多数の救急車や医療機器、農村部学校向けの教育機器の寄贈・輸送等に携われ、近年では医療者育成事業にも力を注ぎ、国立病院や各地の州立病院医療者向けの講習会や訓練を実施しておられます。

そのほか、日本の大学生の「スタディツアー」も積極的に受け入れられており、カンボジアの実情を学んだ学生たちがその後、支援の輪に加わっていくという新たなサイクルも生まれています。今回の講義では、「カンボジアで守る―日本の大学生と共に」と題して、カンボジアの状況や行われている支援の内容に加え、日本の大学生たちが現地の状況に戸惑いながらも真摯に学び、貢献している状況も語られました。

受講生たちは、初めて知るカンボジアの現況に衝撃を受け、国際支援のあり方や生き方について大きな刺激を受けたようです。下記から特別講義の内容と、受講生の感想をご覧いただけます。
https://www.fukujo.ac.jp/university/today/archives/5989

カンボジアの歴史:
カンボジアは1975年から4年間続いたポル・ポト政権下に虐殺等で多くの国民が死亡し、医療者もブルジョア階級とみなされ、大半が処刑されたり国外逃亡したりして、同国の医療と教育は大いに遅れをとりました。

特定非営利活動法人サイド・バイ・サイド・インターナショナル:
日本や海外で、貧困や災害その他の困難な状況に直面している人々の生活向上のために、佐々木浩二氏が1985年に活動を開始。2002年にはNPO法人となって以来、アジアやアフリカへ救急車や医療機器等を送る人道的支援活動を展開。カンボジアでは、救急医療強化支援として、全国の公立病院で医療者向け講習会、カンボジア赤十字や青少年団体での救命講習会などを実施。また、社会的弱者支援、養護施設、マザーテレサの施設の支援も行う。
https://side-by-side-intl.org/

カンボジア大使と佐々木明子さん
▲ 2024年1月、SBSI理事長の佐々木浩二さんと明子さんは日本のカンボジア大使館を訪問し、カンボジアに寄贈予定の5台の救急車について話し合った。左から佐々木浩二さん、カンボジア大使トゥイ・リーさん、佐々木明子さん

 

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