元日から能登半島でマグニチュード7.6の巨大地震が起こりました。今年3月には東日本大震災から13年を迎えました。私たちは自然災害が日本各地で起こり得るということを改めて自覚し、それに対して日頃から備えようと気持ちを新たにしたはずです。この震災を通じ、被災した方々が異口同音に仰っていたことは「みんなの優しさを、身をもって感じた」ということ。東日本大震災でも、人は見栄も外聞も投げ捨て、周りを気遣い、見知らぬ人と手を取り合い命があることを喜びあいました。こんな時、人というのは普段見せない強い絆と大きな団結力を示してくれます。
東日本大震災後、サンフランシスコに住む私の友人から、こんなメールが届きました。「私たちは、日本の皆様に心からお礼を申し上げたい。大変な状況の中、一人ひとりがしっかりと自分を律し、感謝を忘れず、お互いを大切にしながら力を合わせ、復興に向けて懸命に努力を続けている。その姿は世界中の人たちに大きなインスピレーションを与えてくれました」。どんな苦難の中でも、お互いに助け、感謝し合う。そんな人は、自分の心のみならず、周りの人の心も満たし、温めることができるのだと思います。そこに希望を見出します。