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鈴木秀子 コラム鈴木秀子 コラム

聖なるあきらめ

私たちは年の暮れになると、家中を片づけたり、大掃除をしたりして、新しい年を迎えようとします。それと同時に、色々あった今年一年を振り返り、心の整理をしたりします。「あきらめよう」と言うとネガティブに聞こえますが、あきらめるというのは明らかにすることでもあります。人間ですから、様々な感情が起こって当然ですし、自分にとって面白くないことが起こることも当たり前です。

でも、そんな嫌なことの中にも、自分を助けてくれるヒントがいっぱいあります。例えば、病気になる。なんでこんなことが、この忙しい時に起こるのかと思うことでしょう。しかし、それは少し休んでゆとりを持ちなさいという合図かもしれません。他にも誰かに酷いことを言われた、思いがけない嫌な目にあったとか、そういう時にも「あの人はひどい」「自分がみじめ」だと思うのではなく、JWティーでも飲みながら、ちょっと落ち着いて自分を見つめ直す時期として捉えてみる。あきらめようというのは、物事を明らかにして、自分にとって何が大切かを感じ、必要の無いものはやり過ごしていく。たとえ、それが魅力的に見えても、そこはあきらめて、囚われず、自分にとって本当に大切なものを見究めて進んでいこうとする。今年の暮れはそんな心構えを作る時間にしてみてはいかがでしょうか。

聖心会せいしんかいシスター
鈴木 秀子先生

東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。フランス、イタリアに留学し、ハワイ大学、スタンフォード大学で教鞭をとる。聖心女子大学教授を経て、国際コミュニオン学会名誉会長。著書に『9つの性格エニアグラムで見つかる「本当の自分」と最良の人間関係』など多数。

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