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鈴木秀子 コラム鈴木秀子 コラム

母の日/父の日

季節的に5月は「母の日」、6月には「父の日」を迎えますね。これらの日は親に感謝をする日です。室町時代の和歌集『新後拾遺和歌集』の中に、こんな歌があります。“垂乳根のありていさめし言の葉はなきあとにこそ思ひしらるれ”(前大納言為氏)。垂乳根(たらちね=親)の忠告や意見をうるさいと思っていたが、親が亡くなった後でその言葉の有り難さを知ったという意味です。

私たちも日常では親の有り難さを身に沁みてないけれども、自分が苦しい時や親が亡くなった後などに、本当に親の温かさが分かります。「子を持って知る親の恩」という言葉もあるように、私たちの存在の根源は父と母から与えられています。いま何歳であれ、親が元気であろうと、亡くなっていようと、親の深い愛のたまものとして生かされているわけです。

母の日、父の日には、単に「ありがとう」と伝えるだけではなく、「私の中のこういうところがお父さんに似ている、お母さんに似ている。そして、そういう自分が好き」と手紙を書いてみてはいかがでしょうか。そうすることで親へ感謝を伝えるとともに、自分自身を見つめ直し、自己肯定感を高める日にもなります。親に感謝するとは、親から与えられた命がいきいきと幸せになることです。そのためにも自分を責めたり、人の真似をしたり比べたりせず、自分自身を受け入れ、しっかり自分で自分を幸せにしていくことが大切だと思います。

聖心会せいしんかいシスター
鈴木 秀子先生

東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。フランス、イタリアに留学し、ハワイ大学、スタンフォード大学で教鞭をとる。聖心女子大学教授を経て、国際コミュニオン学会名誉会長。著書に『9つの性格エニアグラムで見つかる「本当の自分」と最良の人間関係』など多数。

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