ある若い女性がこんな話をしてくれました。幼い頃、「敬老の日」に母に教えられて、祖父母の前で「おじいさん、おばあさん、いつもありがとうございます」と丁寧に頭を下げて伝えたそうです。すると祖父母も、にこやかに頭を下げ、「ありがとう、ありがとうね」と返してくれました。小さな自分を一人の人間として大切に扱ってくれた祖父母の姿に、子どもながら強く感動し、今もその記憶が心に残っていると言います。「ありがとう」というたった一言が、人の心に深く響く—その体験は、彼女にとって感謝の大切さを教えてくれる原点となりました。
敬老の日は、年長者の人生や歩みに感謝し、敬意を伝える日です。普段は当たり前のように接している祖父母や年長の方々に、改めて思いを馳せることで、長く生きてきた方の知恵や人柄に触れる機会にもなります。そして、自分がどのように年を重ねていきたいかを考えるきっかけにもなるでしょう。
たとえば敬老の日に、祖父母と一緒にJWティーでも飲みながら、日頃は言えない「ありがとう」を伝えてみる。照れくさい気持ちもあるかもしれませんが、特別な日だからこそ、素直に伝えられる言葉があります。そのひと言が新たな会話を生み、世代を超えた絆を育むこともあるのです。敬老の日は、感謝と心の交流を思い出させてくれる大切な日です。