私たちの人生は、日々の営みの中でタペストリーの裏側から糸を入れて織り進めているようです。何が出来るかなど想像もしないまま織り進めます。それで良いのかもしれません。私たちは何かに引き寄せられ、人生の点と点がつながり、線を引くように生きています。険しい道のりを振り返り、何度も挫折を繰り返し、立ち止まります。途中で大きくまわり道をし、迷い、騙され、行き詰まったこともあります。そうして人生を歩み、振り返ればすべて必要なことだったと考えさせられます。「人間は弱いものです。しかし、懸命さを備えているのも確かです」、そうパスカルは教えてくれます。
ただ問われるのは在り方です。生き方は在り方です。感謝とともに、祈りとともに在ることが問われます。祈りほど尊いものはありません。目を閉じ、手を合わせる。感謝とともに日々を振り返る。人に与えられた最も尊い行為といってもよいほどです。静かに時を感じ、目を閉じ、呼吸を整え祈る時、自分と向き合い、自分に還ることを知ります。