人を知るものは智なり、
自らを知るものは明なり。

人を知ることは大切ですが、自らを知ることはさらに大切です。自らを知る「明」は、人を知る「智」よりも一段高いところにあると老子は説きます。「智」は努力によって得られるものの、「明」は、よほど鍛錬を積まなければ得られないと言います。人は他者の短所は簡単に指摘できますが、長所を見出すことは難しくなります。ましてや、自分自身を知るとなると、さらに難しくなります。常に謙虚、忍耐、自らを律し、人の話に耳を傾け、嫌なことでも助言を受けとめる器量が必要になります。そのためには、信頼できる人からの客観的な視点が重要です。
人は正しいことを主張する人や、力のある人を信頼するわけではありません。自分のことを分かってもらえる人に信頼をおきます。寄り添い、お互いに理解し合おうと尽力する中から信頼関係は生まれます。