科学とは決して
正確でも確実でもない。
私たちに
できることはと言えば、
確率に照らして
自らの知識を
表明することぐらいなのだ。

私たちは経験から危険を察し、予測し、失敗を避けます。その一方で私たちは過去の経験に縛られます。積み重ねられた過去の経験から、新しい世界観を嫌います。また、経験により想像力さえ奪われることもあります。人は見たいものしか見なくなります。大きく変革する流れの中で、時に経験が足枷となります。時代の変革期に古い既成概念、道徳、慣習に縛られ取り残されることもあります。“賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ”と言ったビスマルクの言葉を思い出します。

私たちは日頃、見えるものだけを見ていますが、目に見えない直感から知覚する世界もあります。想像することからこの世界を作ってきたことを忘れてはなりません。目に見えるものより遥かに多くのことを想像できるはずです。目に見えないものを大切にすることで、目に見えない直感と感性が試されます。今、私たちは大きく変わりつつある歴史の中にいます。